初夏の風が通り抜ける季節になると、私のカメラを持つ手がむずむずと動き出します。
今回は、そんなカメラを相棒に、品川区にある品川ゆり園(鮫洲入江広場公園)へと足を運んできました。
実は、近くにあるしながわ花海道の紫陽花も一緒に楽しめるという、花好きにはたまらない贅沢なルートがあるのです。
京急線の鮫洲駅から歩いて5分ほど。
東京湾が近いせいか、運河沿いから流れてくる風がとても開放的で、のんびりとした景色が広がっています。
何よりありがたいのが、これだけのロケーションでありながら入場無料という点です。
お財布にも優しく、気軽に立ち寄れるのが最高ですね。
2026年は「ゆり鑑賞ラブウィーク2026」という素敵なイベントが開催されていました。
なんと約2万2千本ものゆりが色とりどりに咲き誇っているのですが、このゆり、福井県坂井市から譲り受けた球根なのだそうです。
それを地元のボランティアのみなさんが我が子のように丁寧に育て上げたというお話を伺い、撮影する前から胸がじんわりと温かくなりました。

まずは駅からのアプローチです。
鮫洲駅を出た瞬間から、すでに道沿いに色とりどりの百合が綺麗に整列して出迎えてくれました。
まるで会場へ導いてくれるウェルカムフラワーのようです。

しばらく歩くと目的地に到着します。
鮫洲入江広場公園の一角が、今回の舞台である品川ゆり園になっていました。

園内を見渡すと、親切に用意された見晴らし台を発見しました。
高い場所を見つけると、どうしても登って上からの景色を確かめたくなるのがカメラ乗りの性というものです。
さっそく階段を登ってみました。

上から見下ろした景色は、このような感じでした。
一歩園内に足を踏み入れると、赤、ピンク、オレンジ、白、黄色と、目の前がチカチカするほど鮮やかなスカシユリが一面に広がっていて、まさに圧巻の一言です。
論理的に分析するならば、中央の通路が車椅子やベビーカーでもスムーズにすれ違える幅に設計されており、誰もがストレスなく鑑賞できるよう配慮されています。
これなら小さなお子様連れでも安心してゆったり散策を楽しめますね。

この日はお天気にも恵まれました。
青空の下で、太陽の光を浴びたゆりたちがキラキラと輝いており、どこを切り取っても写真映え抜群です。
光と花のコントラストが美しく、シャッターを切る指が止まりません。

花の間をのんびり歩いているだけで、日頃のあれこれに揉まれた心がすっきりと洗われていくような気分になります。
イベント期間中ということもあって会場はかなり賑わっていましたが、敷地が開放的なので窮屈さは感じませんでした。
混雑を避けてじっくり構えたい方は、午前中の早い時間帯を狙うのが個人的にはおすすめです。

さて、ここからは第二幕の始まりです。園内を歩いていると、紫陽花はこちらと書かれた案内看板が目に留まりました。
せっかくなので看板を信じて矢印の方向へ進んでみたのですが、なぜか鮫洲橋の手前でパタリと矢印が消滅してしまいました。
おや、案内人に見捨てられたかな、と一瞬焦りましたが、そこは直感を信じて仕方がなく橋を渡ってみることにしました。

橋を渡ると、私の勘は見事に的中しました。
対岸に優しげな紫陽花が綺麗に咲き誇っているのが見えたのです。
ゆり園のすぐ目と鼻の先、しながわ花海道沿いが見事な紫陽花ロードになっていました。

先ほどまで見ていたゆりの原色系の鮮やかさと、目の前にある紫陽花の柔らかい青や紫のグラデーションが、なんとも絶妙な対比を描いています。
お互いの個性を引き立て合うかのような配置は、梅雨の始まりを告げるこの季節ならではの風情を感じさせてくれますね。
派手さはありませんが、道沿いにひっそりと、しかし力強く咲いている紫陽花の姿がとても愛らしくて、気付けば何枚もシャッターを切り続けていました。

ここでふと、冷静に自分の現在地を確認してみました。しながわ花海道をこのまま真っ直ぐ進んでいくと、どうやら鮫洲駅ではなく立会川駅の方へと抜けてしまいそうです。
これはいけない、前半のゆりの撮影がまだ少し物足りない状態だったことを思い出し、ここで勇気ある撤退を選択して途中で引き返すことにしました。
ベストショットを収めるためには、引き返し時の判断も大切です。
今回のちょっとした迷子経験から、次の作戦がひらめきました。次回はあえて立会川駅からスタートし、しながわ花海道の紫陽花を愛でながら、最終目的地である鮫洲駅の品川ゆり園へと向かう逆ルートで歩いてみようと思います。
これから行かれる方は、この歩き方もぜひ参考にしてみてください。
全体のボリュームとしては、ゆり園と紫陽花の散策路を合わせて回っても、1時間から1時間半ほどあれば十分に満喫できるコンパクトで魅力的なコースです。
都心からのアクセスが抜群で、しかも無料。
それなのにこれだけの規模の美しい花々を一度に楽しめるなんて、本当に贅沢な空間だと思います
。どんよりしがちな梅雨の憂鬱を、一瞬で吹き飛ばしてくれるような明るい景色に出会うことができ、五感が心地よく満たされた1日でした。
今回は開花状況を見極めながらの訪問でしたが、次回はさらに満開のピークを見計らって、あの圧倒的な色彩の海に再び飛び込んでみたいと思います。
みなさんも初夏から梅雨の季節にかけて品川方面へお出かけの際は、カメラを片手にぜひ品川ゆり園へ足を運んでみてくださいね。
(了)

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