八潮南公園の菖蒲田盛り過ぎ2026

みさと公園での撮影を終え、心地よい疲労感に包まれていた私の前に、突如として現れたオレンジ色の看板。
そうです、みんな大好き松屋です。
気がつけば吸い込まれるように入店し、牛めしを夢中でかき込んでいました。
お腹が満たされると、不思議と次の目的地へのエネルギーが湧いてくるものです。

今回は、そこから少し足を延ばして、花菖蒲が美しいと噂の八潮南公園を目指すことにしました。
梅雨の合間の曇り空からは、時折しっとりとした湿気を含んだ風が吹き抜け、カメラを片手に歩くにはちょうどいい気候です。

三郷市からテクテクと歩みを進めていくと、戸ヶ崎五丁目ちびっ子広場にたどり着きました。
実はここ、非常に興味深い境界線なのです。

地図を論理的に分析してみますと、この広場までは三郷市。

そして、ここから一歩先へ踏み出すと八潮市になります。
市境というものは、日常の中に潜むちょっとした非日常を感じさせてくれて、なんだかワクワクしてしまいますね。
一歩またぐだけで所属が変わる、そんなスリルを楽しみながら先へ進みます。

というわけで、無事に八潮市の八潮南公園に到着いたしました。

目の前に広がるのは、開放感たっぷりの広いグラウンドです。
周囲は静寂に包まれており、贅沢なプライベート空間のよう。
ここをまっすぐ横切った先に、お目当ての菖蒲田が待っています。
芝生の匂いを感じながら、期待に胸を膨らませて進んでいきましょう。

菖蒲田の手前で、思わぬ先住人に出会いました。
ぽつんと佇む、ユーモラスな表情のフグさんです。

おそらく、もともとは口のあたりに蛇口がついていて、子供たちの喉を潤す水飲み場だったのではないでしょうか。
現在はその役目を終えたのか、静かに公園を見守るオブジェとなっています。
水がプシューと吹き出していた現役時代の姿を想像すると、なんだか愛おしさが湧いてきます。

さて、ここで少し八潮南公園のロケーションについて解説させてください。

この公園は大場川を挟んで東京都葛飾区と隣接しており、園内には約1700平方メートルにおよぶ菖蒲田が6カ所も整備されています。
そこには千株以上の花菖蒲が植えられており、地元の市民団体「南公園菖蒲を守る会」の皆様が、日々愛情を込めて管理されているそうです。
20から30品種もの花々が咲き競う光景は、想像するだけでも圧巻ですよね。

例年であれば、6月中旬といえばまさに花菖蒲が見頃を迎えるベストタイミングです。
しかし、自然の歩みは予測がつきません。
今年は季節の移り変わりが早かったようで、私が訪れた時には、すでに最盛期を過ぎてしまっていました。

園内の花菖蒲園を歩いてみると、かつて鮮やかに咲き誇っていたであろう花々はほとんど姿を消し、数輪だけが名残惜しそうに、静かに残っている状況でした。

しかし、これこそがカメラを持って歩く醍醐味でもあります。満開の華やかさだけが花の美しさではありません。

残っている一輪一輪にじっくりとレンズを向けてみると、それが息をのむほど美しいのです。青空から降り注ぐ強い光の中で、ひっそりと佇む姿は、かえって強い生命力と哀愁を感じさせます。盛りを過ぎた花に宿る、どこか切なくも凛とした佇まいに触れたことで、私の心まで優しく洗われるような気がいたしました。

主役の座を譲った花菖蒲に少し寂しさを感じていたところ、園内の別のエリアから鮮やかな色彩が目に飛び込んできました。

なんと、紫陽花たちが今を盛りと、ちょうど見頃を迎えていたのです。
カラリと晴れた太陽の下で輝くブルーやパープルは、みずみずしい緑の葉の中で生命力に満ちあふれていました。
雨の日の紫陽花も素敵ですが、晴天の光を浴びて元気に咲く姿もまた一興ですね。
これぞ、自然が用意してくれた嬉しいサプライズです。

そして足元に目を移すと、花殻だけが残った不思議な植物の跡を見つけました。

その丸く上品な名残を見るに、おそらく少し前には大輪の芍薬の花が美しく咲いていたのだと思われます。
かつての華やかさに思いを馳せながら、季節がリレーのように次の花へとバトンを繋いでいく様子を実感いたしました。

八潮南公園は、都心からのアクセスも程よい距離にありながら、広々とした空間の中で豊かな季節の移り変わりを感じられる、まさに隠れた名所です。

今回は花菖蒲の最盛期を逃してしまったという結果にはなりましたが、その代わりに太陽に映える紫陽花の美しさに深く癒されるという、素晴らしい体験ができました。
もしこれから訪問される方がいらっしゃいましたら、日差しが強くなる前の午前中の早い時間帯に訪れると、よりしっとりとした美しい花の表情に出会えるのでおすすめです。
周囲に遮るものがないので、帽子や水分補給などの熱中症対策もお忘れなく。

今回の経験を踏まえ、次回はぜひとも花菖蒲が一番美しく咲き誇るタイミングを正確に狙って、再びこの場所を機会があれば訪れたいと思います。
(了)

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