埼玉県三郷市にあるみさと公園を訪れてきました。
小合溜井(こあいだめい)を挟んで東京都立水元公園と向かい合う、水と緑豊かな人気スポットです。
面積約16.9ヘクタールと広々としており、わくわくチャレンジ冒険トリデなどの遊具広場、BBQエリア、ジョギングコースなど家族連れから自然好きまで楽しめる公園ですが、今回は特に初夏の植物観察を中心に回ってみました。
実はこの日、空は見事なまでの快晴。
突き抜けるような青空から容赦なく降り注ぐ太陽の光を浴びながら、私のカメラセンサー(という名のただの直感)が「今日のこの強い光は、初夏の生き生きとした緑を最高に輝かせるぞ」と囁いたのが、家を飛び出したきっかけです。
もちろん、この強烈な日差しに無防備で挑むわけにはいきません。
日焼け止めを念入りに塗りたくり、日傘を掲げ、ハンディファンをフル稼働させて文明の利器に守られながらの完全防備スタイルです。
ファインダー越しに季節の呼吸を追いかけるため、五感をフルに働かせて、いざ散策スタートです。

まず向かったのは自然観察園。
睡蓮が咲いていました。
まぶしい光を浴びてきらきらと輝く水面に、ぽつりぽつりと浮かぶ睡蓮の姿は、まるで涼やかなオアシスのようです。
ハンディファンの風を浴びながらファインダーを覗いていると、水辺特有のひんやりとした静けさが伝わってくるようで、暑さで上気した心が一気に落ち着いていくのが分かります。

さらに自然観察園を進むと、紫陽花(あじさい)がちょうど見頃を迎えていて、雨後のしっとりとした緑の中に紫や青、ピンクの花々が美しく咲き誇っていました。
梅雨の季節らしい風情で、写真を撮りながらゆっくり散策するのにぴったりです。
青空の下で見る紫陽花は、コントラストがはっきりと出て非常にドラマチック。
雨の日とは一味違う、エネルギーに満ちあふれた表情を見せてくれます。
小合溜井沿いの水辺環境を活かした園内は、生き物の観察にも適しており、穏やかな空気の中で心が癒やされます。
これだけ広い公園ですので、混雑でカメラを構えられないということはありませんが、光が少し柔らかく、まだ気温が上がりきらない午前中の時間帯に訪問するのが、じっくりと傑作を狙うための実践的なおすすめルートです。

ほたる池あたりでも紫陽花が咲いていました。
この周辺は木々が自然の日傘となってくれるため、強い日差しが程よく遮られ、紫陽花本来のしっとりとしたグラデーションが綺麗に浮かび上がっています。
木漏れ日を活かした立体的な構図を狙うには絶好のポイントです。

さて、ここまでの順調な足取りに気を良くし、期待に胸を膨らませて菖蒲田に到着しました。
木製のウッドデッキが綺麗に整備され、のんびり歩きながら花を間近で楽しめるようになっていますが、今回は花菖蒲は咲いておらず、青々とした草が生い茂る姿でした。
一瞬、私の目が現代アートの緑一色(リューイーソー)でも見ているのかと思いましたが、どこを見渡しても見事なまでに清々しい草の海。
私のカメラのオートフォーカスも、どこにピントを合わせるべきか迷子になっていたに違いありません。

現地に立てられたお知らせ看板によると、この菖蒲田の株は水元公園から譲り受けたものだそうです。
例年5月下旬〜6月中旬が見頃の花菖蒲ですが、今年はタイミングが少し早かったわけでなく、残念ながら草ばかりの風景でした。
周辺の状況を冷静に分析してみるに、どうやら花菖蒲の栽培・管理自体をストップしている(あるいは予算や人手の関係で休止・縮小している)状態なのだと思われます。
看板だけが往時の輝かしい姿のまま残っているため、私のように期待に胸を膨らませて突入してしまうと、「あれ?」となってしまう、少し寂しいトラップになってしまっていますね……。
せっかく木道を歩きながら初夏の涼やかな花をカメラに収めるイメージを完璧に現像していたかと思いますが、こればかりは切ない空振りでした。
花ではなく、私の心が綺麗に刈り取られたような気分です。

ふと耳を澄ませると、対岸の水元公園からは葛飾花菖蒲まつりの準備の声が聞こえてきます。
向こう岸からはお祭りの活気ある声が風に乗って届くというのに、こちらの岸辺は驚くほどの静寂。
この温度差がなんともシュールで、かえって愛おしさを感じてしまいます。

菖蒲田周辺からは、印象的な青い水元大橋(みずもとおおはし)がよく見えていました。
水面に近い位置に架かるスカイブルーの橋が、水郷らしい風景にアクセントを加えていてとても絵になります。
小合溜井の水面と橋、対岸の緑が一体となった眺めは、都心近郊とは思えない開放感があります。
今回の散策を振り返ってみますと、お目当ての花菖蒲こそ見事な空振りに終わりましたが、それすらもクスッと笑える旅のスパイスにしてくれるのが、カメラを片手に歩く散策の醍醐味だと改めて感じました。
快晴の空の下、完全防備で挑んだからこそ出会えた瑞々しい紫陽花や睡蓮、そして水元大橋の突き抜けるような青さは、この場所でしか味わえない素晴らしい感動です。
これからこちら側に届いた賑やかな声を頼りに、対岸の水元公園で開催される花菖蒲まつりへ直接突撃してリベンジを果たしたいと考えています。
みなさんもぜひ、日焼け止めとハンディファンを鞄に忍ばせて、この開放的な水辺の景色と、初夏の爽やかな風を感じにみさと公園へ足を運んでみてください。花がなくても、きっと素敵な発見があなたを待っています。
(了)

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