9月は、厳しい真夏の残暑が和らぎ、朝晩に心地よい秋風が吹き始める季節です。
モノトーンに近づいていた夏の景色から、情熱的な赤の彼岸花、そしてピンクや黄色に優しく揺れるコスモスへと、主役たちが次々とバトンを繋いでいきます。
茨城県南部、千葉県北部、東京都内や埼玉県などの名所を中心に、9月にベストシーズンを迎える花々とおすすめの撮影スポットを詳しくご紹介します。
1. 彼岸花(曼珠沙華):大地を染め上げる情熱の赤

彼岸花は、地中の温度が20℃近くまで下がると一斉に芽を伸ばして開花を始めます。
例年お彼岸(9月下旬)の頃に満開を迎え、雑木林の木漏れ日や、澄んだ秋空を背景にドラマチックな赤のラインを描き出します。
小貝川フラワーカナル(茨城県取手市)


小貝川沿いの堤防や河川敷(配松・神住・椚木地区)に、秋になると見事な彼岸花が咲き誇ります。
近年は株数が増えており、赤色だけでなく清楚な白い彼岸花の数も増加しています。
コスモスとの美しい共演を同時に狙えるのも、このカナル(運河)ならではの贅沢なポイントです。
弘経寺(茨城県常総市)


徳川家康の孫娘である「千姫」が眠る由緒あるお寺です。
境内には約5万株の彼岸花が植えられており、満開時には境内が「赤い絨毯」を敷いたように真っ赤に染まります。
本堂に続く桜並木の下や、防火水槽の周辺に咲き乱れる姿は圧巻で、朱色の花のほかに、真っ白な彼岸花や黄色いショウキズイセンも静かに花を咲かせます。
祖光院(千葉県松戸市)


雑木林の静寂の中に約10万本の彼岸花が広がり、愛好家から「ミニ巾着田」とも呼ばれるおすすめのスポットです。
木々の間から差し込むスポットライトのような光を浴びる姿が非常に美しく、定番の赤に加え、少し早めに咲く黄色(ショウキズイセン)や白、さらには珍しいピンク色の彼岸花まで、4色の色彩のグラデーションを楽しめます。
中川やしおフラワーパーク(埼玉県八潮市)


広大な敷地に広がる「彼岸花の里」には、美しい桃の木の合間を縫うように長い赤いラインの群生が広がります。
赤だけでなく、白や黄色の彼岸花(鍾馗水仙)が咲き乱れ、同じ時期に咲く千日紅や百日草、モミジアオイなどと合わせて、贅沢でカラフルな構図を狙うことができます。
水元公園(東京都葛飾区)


都内最大級の水郷公園で、9月下旬には公園の西側に広がる「ヒガンバナの丘」が一面深紅に染まります。緩やかな斜面を埋め尽くすように咲く深紅の彼岸花と、その周りを優雅に舞うアゲハ蝶たちの姿は、息をのむほどドラマチックな光景です。
2. コスモス(秋桜):秋風にそよぐ優しく淡いパステルカラー

9月中旬から下旬にかけて、涼やかな空に向かってピンクや白、濃紅色の優しい花びらを開かせます。
マクロレンズを使った水滴の撮影や、秋の青空との対比は最高の被写体です。
与田浦コスモスまつり(千葉県香取市)


例年9月中旬から10月中旬にかけて開催されます。
約3ヘクタールの広大な敷地に約300万本のコスモスが咲き誇り、週末にはコスモス摘み取り遊覧船の運航など様々なイベントが行われます。
ここでの最大の魅力は、高架橋を走るJR鹿島線の列車とコスモスを1枚のフレームに収められるダイナミックなロケーションです。
小貝川ふれあい公園(茨城県下妻市)


小貝川沿いの広大な「フラワーゾーン」では、9月上旬から下旬にかけて鮮やかなコスモスが咲き誇ります。
視界を遮るもののない広大なお花畑の向こうには、雄大な筑波山がそびえ立ち、澄んだ秋空の下、ピンクや白に揺れるコスモスとの見事なコラボレーションを撮影できます。
あけぼの山農業公園(千葉県柏市)


風車横の畑では、一足早く9月中旬にコスモスとキバナコスモスが色づき、夏と秋の境目の美しい景観を見せてくれます。
風車前の2万2000㎡の大花畑に広がるメインのコスモスは、9月はまだ育ち盛りの青々とした時期ですが、気の早い数輪がぽつりぽつりと愛らしく開花を始め、来たる10月の満開に向けた期待を膨らませてくれます。
3. キバナコスモス:初秋を眩しく照らす黄金色の絨毯

通常のコスモス(オオハルシャギク)とは葉の形が異なり、菊に似た深い緑の葉と、鮮やかなイエローやオレンジ色の花弁の対比が特徴です。
8月下旬から9月中旬にかけてピークを迎えます。
あけぼの山農業公園(千葉県柏市)


9月中旬には、風車横の畑や布施弁天裏の畑でキバナコスモスが満開となり、目の前を黄色とオレンジのビタミンカラーで染め上げます。
強い陽射しをいっぱいに浴びて、元気いっぱいにエネルギーを放ちながら咲く姿は、夏の終わりの物寂しさを一気に吹き飛ばしてくれます。
4. 八重のひまわり:行く夏を惜しむ、黄金のラストステージ
あけのひまわりフェスティバル(茨城県筑西市)


例年8月下旬から9月上旬に開催される、夏の締めくくりを飾るひまわりの祭典です。
約4.4ヘクタールもの広大な畑を埋め尽くすのは、中心までぎっしりと花びらが詰まった、フワフワとした「たわし」のような形が特徴の「八重ひまわり」です。
約100万本の八重ひまわりが太陽に向かって一斉に咲き誇り、その向こうに凛とそびえる名峰・筑波山をバックにした景色は、言葉を失うほどの壮大なスケール感に満ちています。
📸 9月の撮影アドバイス
雨上がりの「しずく」や「水たまり」を活かす:
9月は秋雨や台風の季節でもあります。
雨上がりの早朝に出かけると、コスモスの細い花びらや、ピンと立った彼岸花のしべに瑞々しい水滴が光り、朝露とともに宝石のようにキラキラと輝く瞬間をマクロレンズで捉えられます。
また、畑にできた水たまりを利用して、風車やひまわり、彼岸花の鮮やかな赤や黄色が写り込む「リフレクション(反射)」を狙うのもドラマチックです。
光を透かした「逆光」の表現:
斜めから柔らかい陽射しが入る早朝や夕暮れ時は、彼岸花やコスモスを「逆光」で狙う絶好のチャンスです。
透過光によって花びらの繊細な繊維や、彼岸花の燃え立つような赤、コスモスのパステルカラーの透明感が美しく強調され、しっとりとした情緒あふれる大人のポートレートを切り取ることができます。

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