茨城県守谷市浅間神社近くの彼岸花は見頃過ぎ2026

茨城県守谷市の高野地区にある浅間神社。
その周辺に彼岸花が咲いているという噂をかなり前に耳にしており、ずっと頭の片隅に引っかかっていました。
毎年秋になると「今年こそは」と思いながらもなかなか機会を逃していたのですが、今年は定番の小貝川フラワーカナルではなく、趣向を変えて浅間神社を目指してみることにしたのです。

当日は秋の気配が混じる爽やかな風を感じつつ、相棒のバイクに跨がって出発しました。ナビ代わりにGoogleマップを頼りに進んだものの、曲がりくねった道のりと入り組んだ雰囲気にすっかり翻弄され、右へ左へと迷子になりながらさまようハメに。しかし、諦めかけたその時、緑の景色の中にふと鮮やかな赤が紛れ込んでいる場所へ無事にたどり着くことができました。

ここは利根川河川敷桜並木通りに咲く彼岸花スポットです。
現地に到着してパッと見たところ、今年の彼岸花はすでに見頃のピークを過ぎてしまっていました。
かつて一面を燃えるような赤で埋め尽くしていたであろう姿は少し落ち着き、花弁が褪せて散り始めているものが目立ちます。
しかし、レンズを近づけてよく観察してみると、枯れかけた花に混じって「まだまだこれからだぞ」と言わんばかりにニョキニョキと元気よく芽を出し始めた若々しい彼岸花たちも残っていました。
季節の移ろいの早さと生命力の力強さを同時に感じる瞬間です。

この付近にはお手洗いも設置されているとのことだったのですが、周囲を見回してみてもどこにあるのかサッパリ見つけることができませんでした。
散策前に済ませておくか、事前に場所をしっかり確認しておいたほうが安心かもしれません。

道端には、訪れた人がひと休みできるように木製の休憩用椅子がひっそりと置かれていました。

さらに進むと、こちらは新しめのきれいなベンチが設置されていました。
しかし、よく見ると座面の隙間から彼岸花が「こんにちは!」と顔を覗かせて元気に咲き誇っています。
なんとも可愛らしい主張ですが、お尻で踏みつぶしてしまうわけにもいかず、なかなか座るのに度胸がいるトラップ状態になっていました。

並木通りの端まで歩いていくと、浅間神社の凛とした鳥居が現れました。
守谷市高野318-1に位置する浅間神社は、富士山信仰に基づき、木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)を御祭神としてお祀りしている神社です。
創建は17世紀の寛永年間と伝えられ、明治40年にこの地へと遷座したという長い歴史を持っています。

神社は利根川を一望できる小さな丘の上に腰を下ろしており、周囲は豊かな木々に包まれ、住宅街の喧騒からぽっかりと切り離されたような静寂が漂っています。
澄み切った晴天の日には、境内から約180kmも離れた遥かかなたの富士山を望むこともできるのだとか。
毎年7月中旬の日曜日に行われる例祭では、神輿や獅子舞が出され、地域の人々に長く愛され続けている伝統を感じさせます。

参拝を終えて神社の裏手に回り、丘の上から利根川方面を見下ろしてみると、緑の草地に広がる鮮やかな赤い絨毯が視界に飛び込んできました。
「あっちだ!」ということで、さっそくそちらへ移動を開始することにします。

今回はバイクで来ていたため、一旦ヘルメットや荷物のある駐輪位置まで戻ります。

浅間神社の裏手に広がる利根川河川敷の「くるみ公園」へ到着すると、手前に立派な案内看板が立てられていました。

看板によると、この憩いの広場は守谷市が占有許可を受け、高野地区まちづくり協議会と利根川の自然を考える会の方々が日々整備・管理を行ってくださっている場所とのこと。
地元の方々が大切に彼岸花の球根を植え育てているため、「車・バイクの乗り入れは厳禁」という注意書きが目立つように示されています。

広場の手前にはロープがしっかり張り巡らされていたため、私はてっきり「花を保護するために人間も立ち入り禁止なのだろう」と解釈し、慎重にロープの外側からカメラを構えることにしました。

もっとも、立ち入り禁止かどうか以前に、足元の道路自体が雨上がりでドロドロの泥状態になっており、ロープのすぐ近くまで近づくこと自体が一苦労という過酷なコンディションでした。

私が訪れたタイミグは満開の盛りを通り過ぎており、一面を埋め尽くすような圧巻の絨毯感こそ落ち着いていました。
色褪せた花弁や首を垂れた花も多く見受けられましたが、それでも湿り気を帯びた草むらのあちこちに強く咲き残る赤い花々は、しっとりとした秋の空気に見事に調和していました。
ひんやりとした風に揺れる立ち姿をじっと見つめていると、彼岸花ならではの妖艶な美しさと、去りゆく季節の儚さがじわじわと心に沁みてきます。
完璧な満開でなくとも、非常に味わい深い光景に出会えたと感じました。

ファインダー越しにそんな情景を楽しんだ後、撤収しようと引き上げていると、向こうから賑やかな雰囲気の高齢のご婦人3人組が歩いて来られました。
すれ違いざまに「こんにちは」と温かく挨拶をされたので、私も「こんにちは、足元がかなり悪いので気をつけてくださいね」と笑顔で返答しました。

すると次の瞬間、ご婦人のひとりが何のためらいもなく、ロープをくぐって中の群生地へずんずん入っていくではありませんか。
思わず心の中で「おお、迷わずズカズカ入っていくタイプだ……!」と突っ込んでしまいましたが、見守っているともう一人のご婦人が「ちょっと、入っちゃダメって書いてあったじゃない?」と慌てて声をかけました。

しかし、すでにはるか先まで侵入していたご婦人は悪びれる様子もなく、「大丈夫、大丈夫!車とバイクがダメって書いてあるんだから。そういえばここの高橋さんがね……」と軽快に返しつつ、彼岸花が咲き乱れる奥深くへとさらに進んで行かれました。

言われてみれば、看板の注意書きは「車・バイクの乗り入れ厳禁」。確かに文字通り読めば「人間の徒歩による進入」を直接禁じているわけではありません。
「その手があったか!まさに看板のロジックを突いた見事な解釈、大先輩の逞しさに勉強させられます」と感服せざるを得ませんでした。
「ロープ=人間も立入禁止」と思い込んでいた自分の頭の固さを痛感すると同時に、思い込みの恐ろしさを実感したクスッと笑える出来事でした。

今回の訪問を振り返ると、満開の時期こそ逃してしまったものの、神社の木々に抱かれた静寂と利根川を臨む高台のロケーションは、心を穏やかに落ち着かせてくれる素晴らしい空間でした。
小規模ながらも清々しい気に満ちた境内の空気感は実に心地よく、川沿いの土手をのんびり歩けば、運が良ければキジなどの野鳥と遭遇する機会もあるようです。
街の喧騒から離れて目の前に広がる川の流れを眺めていると、都市近郊であることを忘れてしまうほどの開放感を味わえます。

有名な撮影地や観光名所のように人でごった返すことがないため、静かに写真撮影と向き合いたい方や、場所が持つ空気感をじっくり堪能したい方には非常におすすめの隠れた名スポットです。
特に見頃を過ぎたタイミングは、刻一刻と過ぎ去っていく秋の気配をより深く実感できる絶好の機会かもしれません。

実際に足を運ぶ際は、SNSや地元の最新情報を事前に確認してから向かうと安心でしょう。また、雨の翌日は足元が泥で滑りやすくなるため、頑丈で汚れに強い靴を履いていくことを強くおすすめします。

つくばエクスプレス沿線の先進的な利便性と、利根川や鬼怒川が織りなす豊かな自然が見事に調和する守谷市。
浅間神社とその周辺は、そんな街が持つ穏やかな「自然の素顔」を静かに教えてくれる場所でした。
ピークを過ぎゆく彼岸花とともに過ごしたこの秋のひとときは、私にとって忘れられない味わい深い撮影の記録となりました。
(了)

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