気持ちの良い晴れ空に誘われて、千葉県松戸市にある「東松戸ゆいの花公園」へ行ってきました。
駅のすぐ近くにありながら、まるで誰かの秘密の庭園に迷い込んだかのような、優しくも鮮やかな植物公園。
季節の花々に包まれて、ささくれだった心もすっかり丸くなったような気がします。

アクセスはJR武蔵野線・北総線の「東松戸駅」から徒歩で約8分ほど。
住宅街を抜けていくと、突如として緑豊かな異空間が現れます。
到着した瞬間に感じたのは、都会の隙間にぽっかりと空いたオアシスのような安堵感でした。
驚くべきことに、こちらは入園料も駐車場も無料。
この令和の時代に、なんて太っ腹な設定でしょう。
2007年の開園以来、約1ヘクタールの敷地はテーマごとに丁寧に作り込まれており、散策しがいがあります。

正門をくぐると、そこはもう色彩の洪水です。真っ先に目に飛び込んできたのは、誇らしげに大輪を咲かせる「マリーヘンリエッテ」。
その鮮烈なピンクを目にした瞬間、私のカメラ欲に火がつきました。
5月という絶好のタイミングもあり、バラたちが「主役は私たちよ」と言わんばかりに輝きを増しています。

公園のシンボルともいえるバラのアーチは、まさに見頃を迎えていました。
5月から6月にかけて本格的なピークを迎えるこのエリアは、多種多様なバラがトンネル状に競演し、まさに写真映えの聖地。
甘い香りが風に乗ってふんわりと鼻腔をくすぐり、思わず肺の隅々まで外気を吸い込んでしまいました。
香りだけでお腹がいっぱいになりそうです(もちろん嘘ですが)。

少し歩を進めると、「マグノリアの丘」や「カメリアの丘」といったエリアに差し掛かります。
木蓮や椿の最盛期は過ぎていましたが、その分、新緑が目に痛いほど鮮やか。
木漏れ日が地面に描く斑模様を眺めながら歩く時間は、何物にも代えがたい贅沢ですね。
ふと見上げると「ホオノキ」が。

そして、淡いピンク色のヤマボウシに出会いました。実物を見るのは初めてかもしれません。
ハナミズキも美しいですが、私はこのヤマボウシの奥ゆかしい表情の方が好みのようです。
自分の「推し花」がまた一つ増えてしまいました。

園内の至る所に花の名前が書かれたプレートが立っているのも、植物に疎い私には有り難い配慮です。
撮るだけでなく、「あぁ、君はこういう名前だったのか」と対話しながら歩くのは、なんだか知的な趣味を楽しんでいる気分にさせてくれます。

ここで面白い看板を見つけました。
「カラタネオガタマ(唐種招霊)。バナナのような甘い香りがします。ぜひ香りを楽しんでください」とのこと。
半信半疑で近づいてみると、なるほど、バナナのような、でもどこか違うような、なんとも不思議で濃厚な甘い香りが漂ってきます。
このギャップにすっかりやられてしまい、一気にファンになってしまいました。
鼻が幸せです。
ただ、写真愛好家としての本音を少しだけ。
園全体の雰囲気は最高なのですが、いざファインダーを覗いて「これだ!」という完璧な構図を切り取ろうとすると、これが案外難しい。
自分の実力のなさを棚に上げて、理想の画作りに少々苦慮してしまいました。
結果として、今回は記録を重視したブログ用の写真がメインの撮影スタイルに。
次回こそは、リベンジを誓いたいところです。

こちらは、ひときわ目を引くデザインの「マグノリアハウス」。
マグノリアとは木蓮の学名だそうで、その花びらをモチーフにした屋根が特徴的です。
建築物としての造形美もあり、撮影のアクセントになってくれます。

ハウス内は開放的な休憩スペースになっており、公園を一望できます。
花を愛で、少し疲れたらここで一息つく。
この緩やかな時間の流れこそ、この公園最大の魅力かもしれません。

敷地自体はコンパクトですが、約120種類の樹木に30種類以上のバラ、そして名もなき(私が知らないだけの)草花たち。
ボランティアの方々の愛情深い手入れが随所に感じられ、どこを歩いても清々しい気持ちになれました。
休日にもかかわらず、訪れる人々はまばらで、静寂の中で花と一対一で向き合うことができました。
「ゆいの花」という名には、花を通じて人々が結ばれ、心に潤いを感じてほしいという願いが込められているのだとか。
その名の通り、日常の喧騒から切り離されたような、穏やかな心を取り戻せた気がします。
5月の新緑と花々のコントラストは、今この瞬間しか味わえない芸術作品です。
遠出は億劫だけれど、質の高い緑に触れたいという方には自信を持っておすすめします。
次はまた別の季節、違う表情を見せてくれる頃に再訪してみたいですね。
素敵な癒やしの時間をありがとう、東松戸ゆいの花公園。次こそは「最高の一枚」を撮らせてくださいね。
(了)

コメント