最近の私は、どうにも「花の追いかけっこ」に忙しい日々を過ごしています。
桜という主役が舞台を降りた後、次から次へと登場する個性豊かな脇役たち。
そんな彼らの共演を求めて、坂東市にある八坂公園へとのんびり足を運んできました。

訪れたのは4月下旬、時刻は午前中。
空はあいにくの曇天で、写真愛好家としては「青空のライティングがあればなあ」なんて贅沢な悩みが頭をよぎります。
しかし、しっとりとした空気は花の香りをより色濃く運んでくれるもの。
五感を研ぎ澄ませて、春の終わりの匂いを探してきました。

まずは岩井八坂神社に近いエリア。
このあたりではツツジが今を盛りと咲き誇っています。
記憶を遡ると、一昔前はこのあたりにはもっと巨大で見事なツツジがあったような気がするのですが、植物の世界も世代交代があるのでしょう。
だんだんと小ぶりになり、かつての迫力は少し落ち着いた印象です。
とはいえ、この密集した鮮やかな色は、曇り空の下では絶好の被写体。
彩度が低くなりがちな景色の中で、目に飛び込んでくるピンクや赤は実に頼もしい存在ですね。

さらに足を進めると、蓮池が見えてきました。
池のほとりでは黄菖蒲が見頃を迎えていました。
水面に映る黄色は、春から初夏へと季節がシフトしていくサイン。
派手さはありませんが、凛とした立ち姿にはどこか気品が漂っています。

そして、今の公園内でもっとも活気づいているのがこちら。
ハナミズキです。今がまさに旬、真っ盛り。
白やピンクの可愛らしい花(正しくは総苞片ですが)が枝いっぱいに広がり、まるで公園全体がドレスアップしたかのよう。
空の色と相まって、優しいパステルカラーの世界を作ってくれていました。
これを眺めているだけで、曇り空のどんよりした気分もどこかへ飛んでいってしまいます。

一方で、花の命は短いもので。
白藤は残念ながら見頃を過ぎていました。
しかし、風が吹くたびに「まだここにいるよ」と言わんばかりに甘い香りがふわり。
目で見える景色だけでなく、香りで季節を感じるのも散策の醍醐味ですよね。

紫の藤も、房は少し短めながらも涼しげに揺れていました。
初夏の足音が少しずつ近づいているのを感じます。

園内を巡るルートでは、所々で色とりどりのツツジに出会えます。
一箇所に固まっているのも良いですが、歩くたびに新しい色が目に飛び込んでくる構成は飽きが来なくて良いですね。

さて、期待していた牡丹園はどうでしょうか。
……あぁ、少し遅かったようです。
散り際の牡丹もまた風情があるものですが、あの豪華絢爛な最盛期を逃したのは少し悔やまれます。
植物のスケジュール調整は、なかなかこちらの思い通りにはいかないものです。

でも、落胆する必要はありませんでした。
代わりに芍薬(シャクヤク)たちが「次は私たちの出番!」と言わんばかりに、ぷっくりとした蕾を膨らませていました。
牡丹が退場し、芍薬がバトンを受け取る。
この完璧なリレーを目の当たりにできるのも、4月の終わりの八坂公園ならではの楽しみ。
ふんわりとした優雅な花が開くのは、もう間もなくです。

この日は静かに撮影を楽しむつもりでしたが、園内は思わぬ熱気に包まれていました。
第1回「ばんどうっ子クラブ」の「走り方教室」が開催されていたのです。
一生懸命に地面を蹴る子供たちの歓声が、静かな公園に生命力を吹き込んでいました。
植物たちの静かな変化と、子供たちのダイナミックな動き。
この対比がなんとも微笑ましく、思わずカメラを構える手も軽やかになります。
今回訪れて改めて感じたのは、この公園の「多様性」です。
大きな恐竜のモニュメントに驚き、季節の花々に癒され、地域の活気にも触れられる。
次は芍薬が満開になった頃、あるいは夏の蓮が咲き乱れる時期に、また新しい表情を撮りに来たいと思います。
坂東市の八坂公園。
日常のすぐそばに、こんなに美しい「変化の物語」が隠れています。
皆さんも、カメラ片手に小さな春のバトンを見つけに出かけてみませんか?


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