高崎自然の森では八重桜が見頃でした2026

昨日のポカポカ陽気はどこへやら、今日は少し肌を刺すような冷たい風が吹いています。
それでも私の足が高崎自然の森へと向かったのは、春が最後に見せてくれる「八重桜のアンコール」をどうしてもこの目に焼き付けておきたかったからです。

茨城県つくば市にある高崎自然の森は、約16ヘクタールという、もはや迷子を推奨しているのではないかと思えるほど広大な里山公園です。
さくらの森、ほのぼの広場、水辺の森……とエリアごとに表情が変わるので、カメラをぶら下げて歩くには最高の遊び場といえます。

ソメイヨシノという主役が去った後、静かに、しかし圧倒的なボリューム感で幕を上げるのが八重桜。
今日はそんな贅沢なステージを求めて、散策路へと足を踏み入れました。

歩き始めてすぐに目に飛び込んできたのは、地面を彩る芝桜でした。

正直に申し上げますと、手入れが行き届いているとは言い難い状態です。
「なんとかここで生きていくんだ!」という芝桜たちの強い生存本能を感じる咲きっぷり。
その少し不揃いで野生味あふれる姿に、かえって愛着が湧いてしまいました。

散策を進めると、お目当ての里桜が見えてきました。
しかし、やはり自然は待ってくれません。

ピークはすでに過ぎ去り、散りゆく最中。
風が吹くたびに「寒い、寒い」と言わんばかりに身を寄せ合う花びらたちが、季節の移ろいを教えてくれます。

かつてここは、見事なピンク色のトンネルでした。
しかし、久しぶりに訪れると一部の木が切られており、空が広く見えるようになっていました。
以前の密集したトンネルを知っている身としては、少し歯抜けのような寂しさを覚えるのは否定できません。

ですが、落胆する必要はありません。
そこには新しい苗木がしっかりと植えられていました。
彼らが立派な枝を広げ、再び空を覆い隠すほどのピンク色を見せてくれるのは数年後でしょうか。
そんな未来への投資を目の当たりにするのも、同じ場所を通い続ける楽しみの一つです。

ブワッと吹き抜ける風に合わせて、大量の花弁が宙を舞います。
まさに桜吹雪。
地面に敷き詰められた花びらの絨毯は、満開のときよりもむしろ情緒に溢れており、桜の終わりを惜しむ日本人の心をこれでもかと揺さぶってきます。

一方で、枝垂桜はすっかりとお疲れのご様子。
見頃は完全に終わっていましたが、その枝ぶりには威厳があり、来年への活力を蓄えているようでした。

メインエリアである「さくらの森」へ移動しました。

薄紅色の八重桜たちが、重なり合う花弁を優雅に揺らしています。
ソメイヨシノが「清楚な美」なら、八重桜は「豪華絢爛なドレス」。
一輪のボリュームがすごいので、写真に収めた時の密度がたまりません。

ただ、ここでもやはり樹木の整理が行われていました。
空いたスペースには、きっとまた新しい命が吹き込まれるのでしょう。
森は生き物であり、常にアップデートされているのだと痛感します。

今回の訪問で最も「おっ!」と思ったのがこちらです。

珍しい黄緑色の八重桜、御衣黄(ぎょいこう)です。
まだ開き始めたばかりですが、その上品な淡いグリーンは、桜=ピンクという固定概念を心地よく裏切ってくれます。
時間が経つにつれて中心が赤く染まっていく、その劇的な変化の序章を見ることができました。
本格的な見頃はこれからですので、今週末あたりが狙い目かもしれません。

一方、ミヤマツツジはラストスパートといったところ。
全体的に緑の葉が目立ってきましたが、残された紫色の花たちが「まだ終わってないぞ」と自己主張しています。
桜とツツジがバトンを渡し合う、今の時期にしか見られない貴重な競演です。

今日の撮影は、冷たい風との戦いでもありましたが、耳を澄ませば野鳥のさえずりが心地よく、自然の営みの中に身を置く喜びを再確認できました。

満開を愛でるのも良いですが、散りゆく姿や、新しく植えられた苗木に思いを馳せるのもまた、大人の散策の楽しみ方ではないでしょうか。
八重桜の季節はあと数日から一週間。
春の終わりの、少し切なくて、でも温かい景色をぜひ探しに行ってみてください。

私も次は、成長した苗木たちがどんな花を咲かせるのかを楽しみに、またこの森を訪れたいと思います。

【茨城県】つくば市|高崎自然の森
基本情報コメント:森の中では野鳥が見られ、水辺の森では水生動物を見ることができます。遊びの森ではソメイヨシノなどの桜、中心部のお花畑では芝桜など、芝生広場ではしだれ桜や初夏に真っ白な葉になるトウカエデ、さくらの森では多くの八重桜が咲きます。...

コメント

タイトルとURLをコピーしました