皇居東御苑の花菖蒲は見頃でした2025

今回の撮影旅の目的地は、まさに“本丸”。
東京の中心にありながら、静寂と緑に包まれた【皇居東御苑・二の丸庭園】です。
ここでは毎年6月上旬から中旬にかけて、84品種もの花菖蒲が咲き誇る絶景が待っています。

ネットで「花菖蒲がちょうど見頃」と聞いた瞬間、「これは絶対に美しいはず!」と直感し、すぐさまカメラを片手に向かいました。
皇居という場所柄、入口では手荷物検査があり歩道まで列が伸びていましたが、案内はスムーズで、それほど待たずに静けさの広がる庭園の中へ。

朝から気温はぐんぐん上昇。
汗ばむ陽気に、身体がまだ初夏に追いついていないようでしたが、木陰に入るとふっと風が抜け、肌にやさしい涼しさが漂います。

そして、目指していた花菖蒲の菖蒲田へ。
「えっ、思っていたより小さい?」と一瞬驚くものの、その空間にはまるで絵巻物のような美しさが凝縮されていました。狭さを感じさせないほど、花々の繊細な色彩と配置のバランスが見事なのです。

この場所には、明治神宮御苑から譲り受けた84品種の花菖蒲が咲き揃います。江戸時代から続く品種改良の歴史を感じさせる、江戸系を中心とした多彩な咲き姿。
紫、白、ピンク、青…それぞれの色が互いを引き立て合い、風にそよぐたびに表情を変える様子は、まさに“涼やかな風景画”そのものです。
ひと株ごとに品種名の札が立てられており、丁寧に手入れされているのもこの庭園の魅力。

園内を歩いていると、「涼しげだねぇ」と誰かがつぶやく声が聞こえてきました。
確かにその一言が、この庭の空気感を端的に表しています。
視界に広がる配色の妙、そして涼感を呼び込む景観づくり。
どこを見ても自然と足が止まる、そんな魅力にあふれています。

一方で、紫陽花はまだ咲き始めたばかりで、今日はあくまでも花菖蒲が主役。

白く可憐なドクダミの花も園内のあちこちで満開を迎えていましたが、その控えめな姿と独特の香りのせいか、気づかぬうちに通り過ぎてしまう人も多いようでした。

けれども、そんな脇役たちの存在も、季節の移ろいをより深く感じさせてくれる大切な要素。視線を落とせば、静かに咲く命たちが、私たちにそっと季節の声を伝えてくれているのです。

都会の喧騒を一歩離れ、静かな庭で季節の彩りに身を委ねてみませんか?
皇居東御苑の二の丸庭園は、まさに“今だけの風景”に出会える特別な場所です。
ぜひこの初夏、あなたも訪れてみてください。五感で感じる癒しが、きっと心を豊かにしてくれますよ。
(了)

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