二月の冷たい風の中に、ふわりと春の香りが混ざり始める季節ですね。
今年も、私の年間カレンダーに「最優先事項」として刻まれている大谷田公園の梅園へ行ってまいりました。
この時期になると、私の脳内は梅のことでいっぱいになり、仕事の効率が著しく低下します。これはもはや、梅による平和的なテロ活動と言っても過言ではありません。
2026年2月現在、足立区の公式情報によれば開花状況は「見頃」。全体で8割以上が開花中という、まさに「今行かずしていつ行くのか」という最高のコンディションです。
当日は雲一つない青空で、太陽の光が梅の花びらを透き通らせる様子は、論理的に分析しても「完璧」の一言に尽きます。
公園の入り口に到着すると、「ようこそ大谷田公園梅園」という横断幕が私を温かく迎えてくれました。

赤い門とカラフルな支柱のコントラストが実に可愛らしく、ここを通るだけで私のテンションは急上昇します。
門をくぐった瞬間、視覚より先に嗅覚が反応しました。ふわっと漂う梅の香りに、冬の間凝り固まっていた細胞が一つずつ解凍されていくような感覚です。
住宅街のど真ん中に、これほどまでに豊かな別世界が広がっている事実は、何度訪れても驚きを禁じ得ません。これぞ都市の秘境、究極の穴場スポットです。

園路を進むと、そこには「花のトンネル」が展開されていました。
頭上を埋め尽くす紅と白。視界の100パーセントが春色に染まる光景は、もはや暴力的なまでの美しさです。

抜けるようなスカイブルーを背景に、鮮やかな紅梅と清廉な白梅が競演する姿は、カメラのシャッターを切る手が止まらなくなるので非常に危険です。

道沿いには絶妙な配置でベンチが設置されており、座ってぼーっと花を眺めていると、日頃の些細な悩みなど、梅の香りと共にどこかへ霧散してしまいます。

そして、幸運なことに特別なゲストにも遭遇しました。
白梅の枝に、ウグイス色をした小さなメジロさんが飛来したのです。
梅の蜜に夢中になっているのか、こちらの視線を気にする様子もありません。その愛くるしいフォルムを記録に収めるべく、私はプロのハンターのような集中力でシャッターを連打しました。

視線を足元に落とすと、そこにも確かな春が息づいています。
福寿草や水仙が、梅の主役の座を奪わんばかりに健気に咲いていました。
「福寿草」という名前のプレートが添えられているのですが、その縁起の良い名前と鮮やかな黄色を目にすると、なんだか金運まで上がりそうな気がしてくるから不思議なものです。
園内にある四阿(あずまや)やベンチは、のんびりと時間を過ごすのに最適です。
混雑具合も、孤独を感じない程度には賑やかで、かつ自分の世界に浸れるほどには穏やかという、黄金のバランスを保っています。
ここで温かいお茶とお弁当を広げることができれば、その日の幸福度は最大値を更新するでしょう。
最後になりますが、大谷田公園梅園の最大の魅力は、その徹底した管理にあると私は推察します。
約130本(園内100本)、17品種もの梅が、ちょうど目線の高さで楽しめるように剪定されているのです。これには庭師の方々の執念と愛を感じざるを得ません。
なお、これから訪問される方への実用的なアドバイスですが、公園に駐車場はございません。北綾瀬駅から徒歩10分ほどの散歩を楽しみながらアクセスされることを強くお勧めします。
全身で春のエネルギーを浴び、心は完全に再起動されました。
皆さんも、カメラと少しの遊び心を持って、ぜひ足を運んでみてください。
運が良ければ、あの可愛らしいメジロさんが、あなたを歓迎してくれるかもしれませんよ。
(了)

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