暦の上では春とはいえ、まだ冷え込みが厳しい日が続きますね。そんな中、私は一足早い春の気配を求めて、千葉県柏市にあるあけぼの山農業公園へ足を運んできました。
きっかけは、単純な好奇心です。この時期、梅はどれくらい頑張って咲いているのだろうか。そんな疑問を胸に、完全防寒の装いで意気揚々と出かけたのですが、現地に着いて驚きました。太陽が思いのほか情熱的で、冬の重装備をしていた私は、早々にじんわりと汗をかいてしまったのです。

まず向かった果樹園では、梅が一部で見頃を迎えていました。とはいえ、全体的にはまだ眠たげな蕾が多く、開花が本格化するのはもう少し先のようです。

果樹園と風車の間にある通路には、しだれ梅が並んでいますが、こちらはまだ咲き始めたばかり。細い枝が風に揺れる様子は優雅ですが、満開になればさぞかし見事な花のシャワーが見られることでしょう。

ここで、可愛らしいお客様に遭遇しました。梅の花に夢中で吸い付くメジロ、通称ウメジローです。カメラを構える人々の視線を一身に浴びながら、当の本人(本鳥?)は蜜の味にご満悦の様子。その愛くるしい姿を見ていると、暑苦しいコートの重みも少しだけ忘れることができました。

公園のシンボルである風車前の花壇では、ビオラたちが寒さに耐えながらも健気に地面を彩っています。ここは春になると色とりどりのチューリップが咲き乱れる場所。今はまだ静かですが、地下では華やかなデビューに向けて着々と準備が進んでいるはずです。

少し足を延ばして斜面へ向かうと、水仙の姿もありました。ただ、こちらはどうやらピークを過ぎてしまったようで、少し寂しげな印象です。花にもそれぞれ、自分の出番があるのだなとしみじみ感じました。

しかし、鼻をくすぐる素晴らしい香りがどこからともなく漂ってきます。犯人は、園内通路で見頃を迎えていたロウバイでした。その透き通った黄色い花びらは、まるで蝋細工のような繊細さ。この上品な香りだけで、今日ここに来た甲斐があったと思わせてくれます。

彼岸花で有名な斜面の下でも、ロウバイが黄金色の輝きを放っていました。冬枯れの景色の中で、この黄色は非常に力強く、視覚的にも嗅覚的にも大きな癒しを与えてくれます。

メインの梅園に到着すると、そこには紅白のコントラストが広がっていました。紅梅はまさに今が盛り、一部では散り際。対照的に、白梅はこれからが本番といった様子で、徐々に花数を増やしています。今の時期は、散りゆく赤と、咲き始める白の両方を楽しめるという、ある種贅沢なタイミングかもしれません。

この日は予想外の暖かさのせいか、園内は多くの人で賑わっていました。家族連れやカメラ愛好家たちが、それぞれに春の兆しを切り取ろうとする姿は、見ているこちらまで温かい気持ちになります。

最後に本館前を通ると、足元には可憐なスノードロップが顔を出していました。下を向いて咲くその姿は、まるで冬に別れを告げているかのようです。
あけぼの山農業公園では、2026年2月14日(土)から3月8日(日)まで梅まつりが開催されています。
今回訪れて感じたのは、春は一気に来るのではなく、こうして少しずつ、色や香りを変えながら忍び寄ってくるものだということです。梅の開花はこれからが本番。皆さんもぜひ、お出かけの際は体温調整がしやすい格好で、小さな春を探しに行ってみてください。私もまた、満開の梅のトンネルをくぐる日を楽しみにしています。


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