守谷市の片隅で、春の足音を誰よりも早くキャッチしてきました。
3月も半ばを過ぎると、世間はソメイヨシノの開花予想に一喜一憂し始めますが、私は一足お先に「春めき桜(ハルメキ)」に会いに大野川へ。
実はここ数年、この桜の存在が気になって仕方がなかったのです。
なぜなら、ソメイヨシノよりもピンクが濃く、河津桜よりも清楚。
そんな「いいとこ取り」な性格にシンパシーを感じたからかもしれません。
当日は、雲ひとつない快晴。カメラを担いで川沿いに立った瞬間、目に飛び込んできたのは、言葉を失うほど鮮やかな色彩の連鎖でした。

こちらは川上側の景色です。
守谷市野木崎地区を流れる大野川沿いには、なんと約2kmにわたってこの春めき桜がずらりと並んでいます。
2kmですよ?健康のためにウォーキングを推奨されている方なら、これほど贅沢な歩道はないと断言できます。

この春めき桜、ルーツは神奈川県南足柄市にあります。
ソメイヨシノに先駆けて3月中旬から下旬に見頃を迎える早咲き品種で、小ぶりな花が手毬のように密集して咲く姿がたまらなく愛らしいのです。
この「密集感」こそが写真映えの秘訣。
スカスカした隙間がなく、画面全体が春の色で埋め尽くされます。
本来なら甘い香りが漂うはずなのですが、この日はあいにくの強風。
私の嗅覚が試されているのかと思いましたが、風に負けじと踏ん張る花びらの健気さに、香りの代わりにガッツをもらいました。

さらに嬉しいことに、足元には菜の花が競演中。
ピンクと黄色のコントラストは、まさに春の黄金比。
視覚的な情報量が多すぎて、シャッターを切る指が忙しくて仕方がありません。

空の青、桜の淡いピンク、そして水面に映り込む逆さ桜。
この三位一体の美しさは、現地でしか味わえない没入感があります。
私が訪れたタイミングは満開のピークをわずかに過ぎ、散り始めた頃。
しかし、これがまた風情というものです。
地面や水面に花びらが舞い落ちる様は、まるで春が地上に溶け出しているかのようでした。

正直なところ、ここはあまり教えたくない「隠れ名所」としてのポテンシャルが高すぎます。
混雑具合も、有名スポットのような揉みくちゃ状態とは無縁。
ゆったりと自分のペースで構図を練ることができる、写真好きにはたまらない環境です。

私の他にも、小さなお客さんがたくさんいました。メジロたちです。
彼らもこのハルメキの蜜が好物なのか、あちこちの枝を忙しなく飛び回っていました。
自然のサイクルの中に自分も入り込んでいるような、不思議な一体感を覚えるひととき。
今回、大野川の春めき桜を訪れて強く感じたのは、季節の「先取り」がもたらす心の余裕です。
本格的なお花見シーズンが始まる前に、これほど完成された春の風景に出会えるのは、ある種の特権かもしれません。
来年の3月、もしあなたが「少し早い春」を誰よりも濃く味わいたいなら、迷わず大野川へ足を運んでみてください。
午前中の光が柔らかい時間帯を狙うのが、個人的なイチオシです。
私も来年は、風のない穏やかな日にリベンジして、あの甘い香りを思い切り吸い込みたいと目論んでいます。



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