秋が深まり、カメラを持って出かけたくなる衝動を抑えきれず、今回は千葉県市川市にある大町公園のもみじ山へ紅葉の撮影に出かけてきました。
なぜここを選んだかというと、この「もみじ山」は普段は立ち入り禁止で、紅葉の時期だけ特別に開放されるという、なんとも心くすぐる「期間限定スポット」だからです。限定という言葉には、なぜこうも抗えないのでしょうね。
今回のアクセスは、武蔵野線の市川大野駅で下車し、そこから徒歩で向かいました。駅から公園までの道のりが、想像以上にハードでした。まるで地形図をそのまま再現したかのようなアップダウンの連続で、重いカメラ機材を背負っていると、これはもはやミニ登山ではないか? と錯覚するほどでした。私と重力の熱い戦いが、静かに繰り広げられたわけです。

公園に到着する直前までは、奇跡のような青空が広がっていました。

「これは勝った!」と心のシャッターを切った瞬間、空は手のひらを返したように厚い雲に覆われてしまいました。
せっかくの紅葉も、陽射しがなければ彩度が半減してしまいます。
園内を歩きながら「どうか、どうか、一瞬でいいから陽射しを!」と、天気予報士でもないのに空に向かって祈りを捧げ続けました。

公園の入口付近にも色づいた紅葉があり、ひとまずテンションは上がります。
入口近くには、市川動植物園があり、レッサーパンダと紅葉の奇跡のコラボレーションが狙えるスポットです。
私は開園前に着いたのですが、ここで一つ、現代人ならではの悩みが浮上しました。
「もし入園が現金のみだったら、電子マネー派の私はどうするか?」
結局、電子マネーが使えることが確認できたので、入園の可能性は残りましたが、残念ながら帰りのルートの都合上、今回は立ち寄れませんでした。
しかし、この「キャッシュレス情報」は、次回訪問時の重要な判断材料となりますね。

園内を散策すると、池に映る紅葉のリフレクションが美しく、水面が自然の鏡となり、上下対称の幻想的な光景を作り出していました。
水鏡は撮影の醍醐味の一つです。

また、バラ園も通りかかりました。私は今回で二度目の訪問で、少し懐かしさを感じます。 秋バラがちらほらと咲いていましたが、春のバラが「派手な女王様」だとしたら、秋バラは「寒さに耐える静かな淑女」といったところ。春ほどの華やかさはありませんが、しっとりとした佇まいが魅力的でした。

そして、最大の試練が訪れます。肝心の「もみじ山」の入口が分からず、公園の奥地まで歩いてしまったのです。
「こういう秘密の場所は、奥にあるに決まっている!」という私の安直な推理は外れ、入口はなんと、来た道沿いの比較的入り口側にありました。
私は「もみじ山」に入る前に、すでにかなりの体力を消耗していたわけです。

全体的にまだ緑が多く、これからしばらく紅葉が楽しめそうです。
谷筋の地形のため、入り口付近よりも奥(池やせせらぎ付近)のほうが色づきが進むことが多いと案内されており、園内でも場所によって見頃のタイミングに差が出ます。

もみじ山の入口を見つけ、いざ突入。
山というだけあって、そこは当然、階段です。
高齢者の方々は、一歩一歩が大変そうでしたが、一方でちびっこたちは、なぜか大変そうに見えても楽しそう。
彼らの無限のエネルギーを分けてほしいと心から思いました。

結論から言うと、まだ緑が多かったです。
今年はイチョウの色づきが早かったので、モミジも早いだろうと予測したのですが、どうやら紅葉の進み方は、木の種類によって別個の計算が必要なようです。私の予測は外れました。
全体的な見頃は、あと1週間〜10日後(おそらく12月上旬)の方が、より赤く鮮やかな景色が楽しめたかもしれません。
園内の案内によると、ここは谷筋の地形のため、入口付近よりも奥地(池やせせらぎ付近)のほうが、色づきが進むのが早い傾向にあるそうです。
場所によってベストなタイミングが違う、これは撮影者にとって嬉しい悩みですね。
大町公園もみじ山は、湿地と谷津(やと)地形の斜面林からなる自然公園です。約数百本のイロハモミジが遊歩道沿いに植えられています。
普段は立ち入りできないエリアですが、紅葉シーズンのみ開放されます。
2025年の「もみじ観賞会」は、11月22日(土)から12月7日(日)に予定されています。この期間中に、自由に紅葉を散策できますので、訪問を計画される方はこの期間を狙ってください。

撮影を終えた後、私は当初予定していた市川大野駅に引き返すのではなく、京成電鉄松戸線のくぬぎ山駅へ歩いて抜けるルートを選択しました。距離的な差があまりないことが分かったからです。
この帰り道、公園内の遊歩道は狭くなっていました。そこで遭遇したのが、鳥撮りさん(野鳥撮影家)と鳥見さんの大集団です。30名ほどが、遊歩道沿いにずらっと三脚と大砲のようなレンズを構えて並んでいました。鳥を撮る人、鳥を見る人、そして鳥に「見られている」私。
妙な緊張感の中、私はその狭い通路の背後を通過しなければなりません。
もし私が不注意で三脚を蹴ったら、30人規模の「鳥撮りドミノ倒し」が完成してしまいます。
私は無言で、忍者のように気配を消し、静かに彼らの後ろを通り過ぎました。
公園を出て、くぬぎ山駅までの道も、道幅が狭い割に交通量が多かったため、少し危険を感じました。
歩く際は、十分な注意が必要です。
今回の訪問は、ベストな「赤」には少し早かったようですが、青空の期待と、曇り空の現実、そしてまだ緑が残るモミジのグラデーション、すべてが写真の素材になりました。完璧な状態だけが美しいわけではありません。未完成の美しさに気づかされた旅でした。
そして何より、普段は入れない期間限定の場所を歩けたことが、大きな収穫です。 「もみじ山」の本当の燃えるような赤を見るために、私は来年、ベストなタイミングを見計らって、再チャレンジすることを誓います。

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