水元公園の彼岸花はつぼみが多いものの見頃でした2025

宝蔵院での心静かな撮影を終え、次なる目的地、水元公園(東京都葛飾区)へと向かいました。

この日の目的は、公園の西側に広がる「ヒガンバナの丘」に咲き誇る、真っ赤な絨毯をレンズに収めること。あの鮮烈な色を目に焼き付けたい一心でした。

さて、移動手段ですが、私なりに考えました。「最も安価なルート」を選択。それは金町駅までバスで移動し、そこから水元公園まで歩くという、非常にシンプルでストイックな道のりです。

しかし、安さには裏があった。「安かろう、本数少なかろう」の法則です。なんと40分もの待ち時間が発生しているではありませんか。

40分間、ただ虚空を見つめているわけにはいきません。その時、ふと目に入ったのが「北沼公園」。公園という名の通り、そこには巨大な恐竜のモニュメントや交通公園があり、おかげで、バスの待ち時間による精神的ダメージを最小限に抑えられたのは、想定外の収穫です。これも一種の危機管理能力でしょうか。

ようやく水元公園に到着し、目指すは花菖蒲園の西側に広がる「ヒガンバナの丘」です。

丘の入り口に立った瞬間、思わず「おぉ…」と声が漏れました。ゆるやかな斜面いっぱいに咲き乱れる深紅のヒガンバナは、まさに視界を埋め尽くす「真っ赤な絨毯」。その迫力は、写真で見る何倍も、心に突き刺さるものがありました。

丘の上から見下ろせば、赤い波が足元に広がり、下から見上げれば、まるで炎が立ち上っているかのようです。

私が見たところ、丘の真ん中から上にかけては、まだ蕾の状態のものも多かったです。つまり、私が訪問した時点では「見頃のピークはこれから!」というサイン。これから行かれる方は、さらに濃密な赤の絶景が待っているはずです。また、

清涼感のある白いヒガンバナもちらほらと顔を出していました。

そして、この赤い景色をさらにドラマチックに演出していたのが、優雅に舞うアゲハ蝶たちです。

私が夢中になって蝶を追いかけていたその時、突如、背後から天啓のような声が聞こえてきました。
「そのまま撮っちゃだめだよ。蝶を撮るなら、背景をぼかして、飛んでいる瞬間を狙わないと」
……来ました、現場で出会う「うんちくおじさん」(通称:ありがたいご意見番)。
これ、写真活動においては一種の儀式ですね。人の数だけ撮影論があるのですから、私の追求したい物語とは別軸の「正論」を聞かされるのは、もはやユーモラスな日常風景として受け流すのが得策です。

ちなみに、この「ヒガンバナの丘」以外にも、園内のあちこちに群生している場所があり、水元公園全体の彼岸花のポテンシャルは非常に高いと感じました。

水元公園での撮影を終え、私は次の目的地、中川やしおフラワーパークへ移動します。

ここで活躍するのが、レンタル自転車。
「30分160円」とのこと。以前より30円ほど値上がりしたようですが、致し方ありません。しかし、私にとって重要なのは、30分を超過すると15分ごとに160円が加算されるというルールです。

目的地までは25分ほどの距離。つまり、160円で済ませるためには「25分以内で次の目的地に到着しなければならない」という、タイトな時間制限サスペンスの始まりです。

水元公園のサイクリングコース脇には、それはそれは見事な彼岸花が、まるで私を誘うかのように咲き乱れていました。しかし、私の脳内には冷酷な計算機が作動しています。

(ここで5分撮影=到着は30分ギリギリか超過。超過=160円追加。160円で花を撮るか、時間厳守で節約するか……)

結論。私は泣く泣く、自転車道の彼岸花を撮影せずに通り過ぎました。美しい景色を前にシャッターチャンスを諦めるのは写真家として辛いものがありますが、ここは「論理的な経済活動」を優先です。読者の皆さん、この道を通る際は、時間と財布との相談をお忘れなく。

水元公園のヒガンバナは、その規模もさることながら、「ヒガンバナの丘」という一つのエリアに集約されていることで、他では味わえない圧倒的な迫力を生み出していました。

また、レンタル自転車のタイマーに追われながらも、風を切って走る感覚は気持ちの良いものでした。特に、今回「泣く泣くスルー」した自転車道脇の彼岸花たちのポートレートを、リベンジとして撮ることを心に誓いました。

【東京都】葛飾区|水元公園
基本情報コメント:水元公園は、都心から比較的アクセスしやすく、自然豊かな公園です。広大な敷地内には、様々な種類の植物や水辺の風景が広がり、四季折々の美しい景色を楽しむことができます。特に、ハナショウブの季節は、園内が色とりどりの花で埋め尽く...

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