茨城県取手市に位置する井野天満神社は、冬から春へと移り変わる季節の美しさを肌で感じられる場所です。澄み渡る青空の下、境内のあちこちで花々が咲き、小さな生き物たちが集う、心穏やかな風景をご紹介します。

私がこの場所を訪れたのは、1月も半ばを過ぎた日曜日でした。冬の寒さはまだ残っていますが、太陽の光にはどこか春の予感が混じっているような、そんな穏やかな天気の日でした。
神社の入り口には案内板があり、そこから上へと続く趣のある石段が始まります。

参道を進むと、まず水仙が咲いているのが目に入りました。この神社、実は三千坪もの広い境内を持っていて、地元では花の神社として親しまれているそうです 。一休みのスペースとして参道のそばには丸椅子も用意されており、座ってゆっくりと花や鳥を眺めることができます。階段で少し息が切れても、ここで一息つけるのはありがたい配慮ですね。

階段を上った先には、天満宮の扁額が掲げられた立派な石造りの鳥居が立っており、その奥には落ち着いた佇まいの社殿が顔をのぞかせています。井野天満神社は、天正元年(1573年)に京都の北野天満宮から分霊を受けて創建された歴史ある場所です 。
学問の神様として有名な菅原道真公を祀っているため、境内にはお約束のなで牛さんもいらっしゃいます 。頭をなでると知恵を授かると言われているので、私も念入りになでておきました。

この時期の境内は、美しい花々の香りに包まれています。
特筆すべきは、見頃を迎えていた寒紅梅です。

少し前までは2月が見頃でしたが、最近はかなり早く咲くようになりました。この日も、1月中旬だというのに見事な色づきを見せてくれていました 。

さらに、白梅も見頃になっていました。
紅白の梅が一度に楽しめるなんて、なんだかおめでたい気分になりますね。澄んだ青空に映える鮮やかな紅梅、そして社殿の前で静かに咲く清楚な白梅。どちらも甲乙つけがたい美しさです。

足元に目を向ければ、白と黄色のコントラストが美しい水仙が群生しており、早春の訪れを力強く告げています。
境内では、自然と共に生きる可愛らしい姿にも出会えます。

水仙の花に囲まれた暖かい場所で、猫が目を細めてのんびりとくつろいでいました。人間が近づいても動じないその姿は、この神社の平和な空気を象徴しているようです。

また、切り株に用意されたミカンをメジロが一生懸命についばんでいる微笑ましい光景も見られました。この神社は野鳥が多く集まることでも知られており、メジロやシジュウカラなどの姿を頻繁に見かけることができます 。
今回訪れて改めて感じたのは、ここは神社というよりも、誰でも温かく迎え入れてくれるオープンガーデンのような場所だということです 。住宅街のなかにありながら、一歩足を踏み入れれば別世界のような静寂と彩りが広がっています 。
混雑具合も、私が行った時はほどよく落ち着いており、じっくりと写真撮影を楽しむことができました。駐車場は神社のすぐ横に数台分ありますが、入り口が少し分かりにくいので、事前に確認してから行かれることをおすすめします 。
これから春にかけて、河津桜なども次々と見頃を迎えるそうです 。日常の喧騒を忘れて、季節の香りと風の声に耳を傾けたい時、またふらりと訪ねてみたい。そんな風に思わせてくれる素敵な場所でした。


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